授乳後におきるレイノー現象について、私が調べた&経験から解説していきます。
医学的根拠もちょくちょく載せてまいりますので、(でもわかりやすく解説します!)安心してお読みください。
私の個人的な考えと、医学的にハッキリしていることは完全にわけて書きます。
レイノー現象とは?
こんな状態のことです。
虚血状態(一時的に血の巡りがわるくなること)になって、ジンジンとした痛みが襲ってきます。痛みが起こるメカニズムは、末梢血管(細い血管)が正常な状態よりも強く収縮することで痛みを生じます。参考:レイノー症候群 – 06. 心臓と血管の病気 – MSDマニュアル家庭版 (msdmanuals.com)
乳首にも同様のことが起きていると考えられます。
ここからは、私の個人的な解釈です。
乳房に置き換えると、以下です。
赤ちゃんが乳首を吸う→乳首の先端の血管が収縮する→血液の流れが悪くなる
経験からですが、血の巡りが改善するまで痛みは持続します。肩こりが多い人など、肩甲骨周りの血流も悪くなるので、余計改善するまでに時間がかかるでしょう。
レイノー現象の症状
・ヒリヒリ、ジンジンするような痛み
・持続することもある
・乳首の先端あるいは広範囲が白っぽくなる(白斑とは全くちがいます。)
・乳首が冷たい
私の経験から言わせていただくと、痛みは個人差とその時の状況でかわります。
シャワーにはいってもよくならず、ジンジンして夜も眠れない。かと思えば、日中多少ジンジンするだけという日もありました。
痛みがつよいときほど、乳首の先端が広範囲に白くなっていました。
レイノー現象の原因
レイノー現象になるには、いくつかの要因があります。
しかし、共通しているのは、その要因のせいで血の巡りがわるくなってしまうことです。これは、医学的に証明されています。
血の巡りがわるくなるという点から想像できるのは、以下です。(個人の考えです)
- 筋肉量がすくない
- 水分不足で血液がドロドロしている
ここからは、私の経験から授乳後にレイノー現象を引き起こす要因になりうる事項を挙げていきます。
赤ちゃんが強く吸いすぎる
赤ちゃんが直母するときの口の中の状態は、真空状態だといわれています。ということは、とても圧力がかかるということです。
赤ちゃんが強く吸いすぎる状況としては、以下が考えられます。
- 乳首が小さい(扁平型)
→圧力がかかりやすい乳首by助産師 - 赤ちゃんがまだ下手っぴ
→トレーニングと声掛け - 乳腺炎の一歩手前
→母乳がでないのでより強く吸おうとする
→乳腺炎自体がすでに巡りが悪くなっている
私がレイノー現象に悩まされていた時期は、ちょうど上記が重なっていた時期です。授乳初期です。
乳首が硬い
乳首がかたいと伸縮性がなくなります。かたいものを一気に引き延ばそうとすると、変に圧力がかかるのと同じ原理です。
なんらかの形で、乳首の皮が厚くなったのが原因と考えています。
たとえば以下の通りです。
・赤ちゃんの舌が触れている(浅飲み)
・搾乳時に指で触れてしまってる
・旦那のせい(吸わせない、触らせない!)
乳首の皮が必要以上に厚いと白斑(乳口炎)になるおそれがあります。
※白斑(乳口炎)の原因は厚みのある皮膚に負荷がかかるからです。
乳首の皮膚が一部もしくは全体的に黒ずんできたら、皮膚が刺激をうけて厚くなった目印と考えていいでしょう。
関連:乳頭が硬くて授乳が痛い原因と対処法
次からは対処法お話しします。
レイノー現象の対処法
・温める
・血液の流れを良くする
・痛み止めをつかう
対処法1.温める
・カイロ(低温ヤケド注意)
・ホットタオル(ジップロックにいれると保温性アップ)
・馬油で血行促進(血行促進力はすごいです*)
・お風呂
・シャワー
・手で温める(応急処置として)
※*…生理の腰痛や肩こりにかなり効きますが、乳首に塗ってもあまり効果を感じられませんでした。もしかしたら、乳房に塗ればよかったのか?と若干後悔です。機会があれば、今度は乳房に塗ってみます。
上記の方法があります。
温めるとよくなると言われています。
助産師さんから提案された方法でもあり、一般的なレイノー現象が起きた際の病院の対処法としては、温熱療法といってホットパックで温めるがあげられます。
私の一番ひどいときは、シャワーに入ってもジンジンとした痛みが残って寝れないこともありました。
対処法2.血液の流れを良くする
・運動する
・黒ニンニクをたべる
・馬油を塗る
・水分をしっかりとる
血液の流れを良くする点で、個人的に体に変化を感じたのが上記です。
運動する
いうまでもありませんね。散歩でいいので15分~30分でも歩くと、なかなか体が温まります。
筋肉量が低下している方や、うつ傾向の方は体が温まりにくいです。しかし、継続していると温まりやすくなります。
私は一時期、うつ傾向がありました。1時間あるいてやっと温まる感じがしたのですが、いまは15~30分で温まります(春先の状況です)
※ここの内容は個人談です。できれば普段から体温をあげやすいように、運動することが望ましいと考えています。
黒ニンニクをたべる
ふつうのニンニクに比べて、以下が違います。
・におわない
・フルーティーで甘い
・血流をよくしてくれる
・栄養価が爆発している
・抗酸化作用(老化防止)
抗酸化作用(老化防止)がかなり強いので、私は美容目的もかねて食べています。
一般的に体に変化をおよぼすのが2~3か月といわれていますが、体温上昇(体感)は2日目から感じ始めました。
「黒ニンニクをたべたからレイノー現象がおさまった」とはいえないですが、かなり体温をあげてくれるのでよいのでは?と思います。
EDにもいいとのことなので、血流面にはかなり有効なんじゃないかと思います。男性で、血流がわるくなると最初に影響してくるのが性器部分のため。
ちなみに、暑い日に食べ過ぎると片頭痛がおきたので、頭痛もちは食べ過ぎ注意です。(笑)
馬油を塗る
馬油はかなり血流改善に即効性があるように感じます。
・肩甲骨
・肩
・首まわり
上記に塗り込むといいでしょう。
筋肉はつながっているため、凝りやすい部分だけでなく、その周辺にも塗ってあげるのがポイントです。
敏感な方なら温かくなるのを感じると思います。
私は生理の腰痛と肩こりによく使用していますが、じんわりしていくのと、即効性があるのが癖になりナロンエースをあまり使わなくなりました。
馬油は合う合わないがあるので、その点だけ注意していただければと思います。(吹き出物がでたとか)
対処法3.痛み止めをつかう
授乳期に起こる痛みに、痛み止めを飲むという発想がなかった私ですが、助産師からGOがでたので痛み止めを飲んで耐えるのは、全然ありです。
授乳期に医療機関で出されるものの典型はカロナールですね。市販でもあるので、ぜひ主成分はアセトアミノフェンを選びましょう。
管理人はナロンエースを使っています(笑)
対処法4.短時間の授乳にする
授乳時間が長すぎると乳首に負担がかかります。レイノー現象も生じやすくなります。(経験から)なので、くわえているだけの飲んでいない授乳は、早めに切り上げたほうがいいです。
対処法5.授乳姿勢の改善
乳首に負担がかかるような授乳だと、レイノー現象が起こりやすいです。なので思い切って授乳姿勢を見直してみるのもありです。
ちなみに、レイバック授乳が私の授乳の仕方です。(レイドバック授乳、リクライニング授乳ともいいます)
助産師いわく、効率よく母乳がのめる授乳姿勢だとか。飲みとれないものはない、と言っていた授乳法です。
対処法6.浅飲みの改善
浅飲みしてしまうと、乳頭に負担がかかります。なので、浅飲みを改善することでレイノー現象の改善が期待できます。
2歳6か月、突然の浅飲みを改善した方法
2歳6か月のときに、いきなり浅飲みをしだしてレイノー現象勃発です。しかし、声掛けで改善させることができました。
以下がポイントです。
- 方法を伝える
- 成功なら褒める
- 失敗なら都度伝え直す
以下が実践です。
「大きなお口でやるんだよ~」というと、でっかくお口を開けて見せてくれます。そのお口のなかに最初は私から乳首をいれてあげました。痛くなかったらすかさず褒めたたえます!
何度かやると言わなくてもできるので、あとはOKです。
しばらくは気を抜かずに様子をみる
定着するまでは様子を見たほうがいいです。「何も言わない=OK」と学習してしまうため、痛みがでたりしたら、我慢せずに伝えましょう。
- ちょっと痛いから一旦離せるかい?
- 大きなお口でやるんだよ~
上記の通りです。
浅飲みしている最中に「大きなお口でだよ~」というと、「あ、やべ。そうだった」と言わんばかりの表情になるので、覚えてはいるようです。
月齢の小さな赤ちゃんでも同様です
言い続けているとしっかりと覚えます。
生後3か月から乳房交換時には「おかわりさ~ん♪」と声掛けしています。すると「おかわりさ~ん♪」と言っただけで口を放してくれるようになりました。
月齢が小さくても声掛けはいけますよ!
対処法7.つまんで離してみる
かなり応急処置ですが、乳首の根元より上のほうを「つまむ→離して」を繰り返すと、ほんとうに軽い場合はもとに戻ることがありました。
※手を「グーパー×2」すると体の血が巡って血圧がさがる、という情報を何かで読みました。同じ原理かなと勝手に思っています。
以上、7つの対処法でした。次は予防についてです。
レイノー現象を予防するには?
・血流を良くする
・乳首に刺激がないようにする
・深く咥えさせる
・乳首をほぐす
・皮膚を柔らかく保つ
・水分をしっかりとる
血流を良くする点については、対処法でまとめたので省略します。
乳頭に刺激が多いと皮膚が厚くなる
刺激に対応しようと皮膚を厚くさせます。同時に、黒ずんできます。
この黒ずみは元々の色ではなく、明らかに何かの刺激によってできたもの、という意味です。私も経験がありますが、まだらに黒ずんだりします。
自分で乳栓をとっている方は気をつけましょう。乳頭を刺激しやすいです。
※皮膚が厚くなると白斑(乳口炎)にもなりやすいです。
そこで、具体的に何が皮膚を厚くさせる要因になりやすいのかを、予防という観点からお話しします。※完全に私の経験上からいえることです。
1.触らない
乳栓をとるときや搾乳するときに、できるだけ乳首には触れないでおきましょう。3日も触れるとすぐに黒ずみます。乳首の根元をつまむのが正しいです。
盲点は夜の運動会です。旦那様に「触れるな、舐めるな」と言っておきましょう。
ごねるようなら「赤ちゃんの舌使いと貴様とでは天と地の差よ」と思い知らせてあげましょう。
ちなみに、「赤ちゃんの舌使いって?」と、私の旦那のように食ってかかってくるタイプもいると思うので、メカニズムは次を参考にしてください。
2.深く咥えさせる
浅飲みになると舌が乳首にふれてしまい、皮膚が厚くなりやすいです。なので声がけして、深く咥えられるようにしましょう。授乳姿勢の見直しも視野に。
※本来は乳首が舌に触れることはありません。舌で乳首の根元をしごいて母乳を飲むからです。
このとき、乳首は赤ちゃんの上顎の空洞に位置しており、真空状態となっています。上顎の空洞はやがて無くなるので、赤ちゃんにしか成せない技です。
上記のようなメカニズムなので、直母できる子と大人とでは、口内構造から舌使いまで、全く異なるというのがお分かりいただけると思います。(←旦那さんにも教えてあげましょう)
3.乳首をほぐす
乳首がかたいと圧力がかかりやすくなります。なので、授乳前に乳首をほぐしておくと、授乳する瞬間のギューッと引っ張られるような痛みは軽減できます。
痛みを軽減できて、直前の圧力は最小限にとどめれてもやはり一時しのぎにしかなりません。離乳食前の方には気休めにしかならないでしょう。
関連記事:乳頭が硬くなる原因
4.皮膚を柔らかく保つ
皮膚が厚く硬くなっていると以下の弊害がでます。
- 伸縮性が悪いので、圧力が一気にかかる
- 白斑ができやすい
- 飲み残しが生じやすい
- レイノー現象を引き起こしやすい
したがって、保湿して皮膚を柔らかい状態を保つことが重要です。
乳頭の黒ずみを最短で改善する方法
「黒ずんでるから白斑(乳口炎)になりやすいよ!」と助産師に言われて、気を付けたことが以下です。
- 刺激しないように、できるだけ触れない
- 保湿を徹底する
上記を実践して、2度黒ずみと厚くなった皮膚を改善しています。したがって、触れなければ早く改善できると私は思っています。
保湿におすすめなもの
皮脂と似た構造を持ち、肌軟化作用が高いものがおすすめです。具体的には以下です。
・馬油
・ホホバオイル
・ラノリン
5.水分をしっかりとる
授乳期のママには、授乳分と生活分でかなり水分が必要です。血液がドロドロになると、循環がわるくなります。なので、水分をとって血液をながれやすくすることで血流がわるくなるの予防できます。
簡単に水分補給できる知恵
助産院で教えてもらった知恵です。
「1日3回の食事のときに、大きめのコップ1杯の水分を追加します。すると、1日1.5Lは確保できるとのこと。
直接的な変化は感じられませんでしたが、もともと脱水症状になりやすく水分補給をわすれてしまいがちなので、このアドバイスはかなり助かりました。
レイノー現象は治るの?
授乳期のレイノー現象ではない、もっと大きな枠組みのレイノー現象ですら、原因不明とされています。参考:レイノー症候群 – 06. 心臓と血管の病気 – MSDマニュアル家庭版 (msdmanuals.com)
原因がわからなければ解決方法もわからないので、「治る」とは言い難いです。しかし、「症状がでなくなった」という方は多いと思うのです。
わたしもたまになる程度まで回復しました。
推測:体の巡りをよくする
乳腺炎で助産院にお世話になっていた時期とレイノー現象に悩まされていた時期が、重なっているような気がします。
以下の通りです。
- 乳栓のつまり→引っ張り飲み→負担がかかる
- 体の巡りが悪い
ミルクスルーブレンドで上記を解決できました。※管理人の場合は
したがって、体の巡りをよくするとレイノー現象改善の一歩へと近づけるのでは?と思うのです。
久々のレイノー現象発症時の状態
半年以上はレイノー現象がなかったのに、突然症状がでました。以下がその時の状態です。
・乳首が黒ずんでいる
・母乳の色は黄色っぽくなっている
・母乳の出がわるかった
予測ですが、上記から「乳栓がつまる一歩手前」というのが感じ取れます。
つまり、体の巡りが悪くなっている状態です。当然、母乳の出が悪いので浅飲みにもなります。
このことからも、私の体験だけでいうと、血の巡りが関係しているのでは?と思います。
個人的な体質について
冷え性、自律神経が乱れがち(自覚のみで診断なし)、気持ちが高ぶると過度に手足が冷えだす(怒り、緊張、お酒)、緊張状態が続くと血圧が低下して気絶しやすい(集合体恐怖症、グルテンによる腹痛、ちょっとした体の痛みの連続)
勝手な推測で上記をあげましたが、これまた勝手な共通点は末端の血管が収縮しやすい要因をつくりやすいという点です。
どれもこれも、末端の血管が収縮してしまうと血の巡りがわるくなってしまいます。結果、冷えたり血圧の低下をまねくのですが、レイノー現象として発症したことはありません。
しかし、逆に言うと上記のような体質だから、レイノー現象が発生しやすい条件が整っているのかもしれません。
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