最近ぬか床が水っぽくてゆるいです。どのように対処したらいいでしょうか?
ぬか床が水っぽくてゆるすぎると、乳酸菌が増えやすくなります。ぬか床は乳酸菌、酪酸菌、産膜酵母、他の菌のバランスで成り立っています。なので、乳酸菌だけが増えてしまうと酸味の強いぬか漬けができあがってしまうのです。
私自身もぬか床が水っぽくて試行錯誤しました。
本記事では以下のことを説明します。
- ぬか床が水っぽくなる原因と対処法
- ぬか床を水っぽいまま放置するデメリット
- ぬか床の水抜きの注意点
水っぽくてゆるいぬか床の原因と対処法
水っぽくなってしまうのは、ぬか床に含まれる塩分が野菜から水分をだすために作用するからです。
キュウリに塩をふると水分が出てくるのと同じ原理です。※浸透圧作用
したがって、ぬか床で野菜をつける頻度が高いと、水っぽくなりやすいです。また、大根、白菜などの水分が多いものもぬか床が水っぽくなりやすいです。
水っぽくてゆるいぬか床の対処法
水抜きといって、乾物をいれたりキッチンペーパーなどでぬか床の水分量を調節する方法があります。
次では、リスクが少ない順に上げていきます。
水っぽくてゆるいぬか床の水抜きの仕方
- キッチンペーパーで吸わせる
- 乾物を入れる
- 足しぬかをする
- 茶こしなどの水抜き用器具を使う
キッチンペーパーで吸わせる
表面に押し当てたり、くぼみを作ってその中にキッチンペーパーを入れておくなどの方法があります。
ごくわずかな水分ならいけますが、「水っぽくてゆるい」くらいだとかなりの枚数を消耗します。
乾物を入れる
干し椎茸、切干大根、昆布などの乾物を入れることで、ぬか床内の水分を緩やかに吸収してくれます。
ぬか床の水には旨味がたっぷり含まれているので、捨てることなく、かつその旨味を吸収して最後は食すことができるのでオススメです。
しかし、水分量が多いと吸収が追いつかない場合もあります。また、即効性はありません。
足しぬかをする
米ぬかを追加することで水分を調節する方法です。塩を足したり、唐辛子なども追加する必要があります。
旨味を逃すことなく、確実にぬか床の風味を底上げしてくれるのでオススメです。
デメリットは一度に大量に足しぬかをしすぎる、こまめにやり過ぎると乳酸菌が死滅してしまうリスクがあります。
茶こしなどの水抜き用器具を使う
お手軽です。突っ込むだけで水分を除去することができます。
≫【簡単】100均の茶こしでぬか床の水抜きをする方法【突っ込むだけの作業です】
しかし、この水分には今までつけてきた野菜の旨味や栄養がたっぷり含まれています。また、水分は乳酸菌が増えるためのエサにもなるので、水を抜きすぎると旨味と乳酸菌が減っていきます。
水っぽくてゆるいぬか床【水抜きする時の注意点】
- 乳酸菌のエサが減る
- 旨味と栄養を逃す
- ぬきすぎると乳酸菌が減る(アルコール臭がしだす)
- 抜きすぎるとバランスがくるう
乳酸菌のエサが減る
水分は乳酸菌のエサになります。このエサをもとにして乳酸菌が増殖し、発酵をしていきます。
乳酸菌が減る(アルコール臭がしだす)
乳酸菌、酪酸菌、産膜酵母をメインとし、その他の菌のバランスでぬか床は成り立っています。
ぬか床の水は乳酸菌のエサであり、そのエサとなる水を抜き取ってしまうと乳酸菌は減っていきます。となると、ぬか床内のバランスは崩れていくので、その他の菌が優勢になるのです。
※私の経験では、乳酸菌が増えすぎたので小松菜を使って乳酸菌を減らしたところ、減らしすぎてしまい酪酸菌が増えてしまいました。結果、アルコール臭がするようになったのです。
関連:【腐ってる?】酸っぱいぬか漬けの原因と対策方法【小松菜で解消】
旨味と栄養を逃す
ぬか床からでてきた水にはこれまで漬けてきた野菜のうま味と栄養が凝縮しています。それを抜き去ってしまうのは、うま味と栄養をぬか床から取り出していることに等しいです。
補足:塩を足しましょう
「水分が多い=それだけ塩分が使われて野菜から水が出た」ということなので、ぬか床内の塩分濃度は低くなっています。
塩分濃度が低いと乳酸菌や雑菌が繁殖しやすくなるので、塩を足しましょう。
塩を足すべきなのか?どのくらい入れるのが目安なのかについては、ぬか床の追い塩の仕方【タイミングと量の目安について解説します】でチェックしてみてください。

